つながっていく・・・・その先へ
- Date.
- 2018.05.25
こんにちは、副院長の渡邉です。
昨年5月から、子どもの貧困対策として月に1回のペースで開催していた子ども食堂「きりんカフェ」を、先月の開催をもって一旦終了とさせていただきました。
毎回30名前後の子ども達が参加し、一緒に遊び、食事をし、勉強を教える中で、我々としても沢山のことを学ぶことができました。
一年間お付き合いいただいた関係者の皆様、本当にありがとうございました。
この活動の目的は、①子どもが誰でも気軽に来られる居場所作り、
②食事の提供・遊びなどを通じて、さまざまな年代の方々とのコミュニケーションを図り、社会的なつながりを持ってもらう、
③学習支援により子どもの学習意欲の向上を図り、進学や将来の夢を後押しすることでした。
果たして「きりんカフェ」が、どれだけこの目的を果たすことが出来るのか、試行錯誤の繰り返しでした。
実はこの中で最も重要視していたのが目的②の「つながり」を持つことでした。
私自身もこの活動を始めるに当たっては、当院の職員を始めとして行政や福祉、地域の方々と「つながり」を持ち、ご協力をいただいたからこそ、大きな目的の実現を果たせたのです。
子どもの貧困問題で重要な課題の一つが心の貧困、親や子どもの孤立だと考えます。
誰しも一人だけの力では、大したことはほとんど出来ません。それは大人も子どもも同じです。
沢山の人と「つながり」を持つことで、時には誰かに悩みを聞いてもらったり、協力をお願いしたり、助け合ったりすることができます。
そうした中で出来ることの選択肢が増え、可能性が広がっていきます。
子ども達にその大切さを感じてもらい、悩みを一人で抱え込まずに頼れるところにはしっかり頼って、将来の夢を大きく持って頑張ってもらいたいと願います。
また、子ども達を育てたり助けたりすることは、その親だけが担うものではないと考えます。
子どもが困っていたら、親が助けるだけではなく、その地域の大人が助けに入る。
勉強で分からないことがあったら、親だけではなく地域の大人が教えてあげる。
きっと昔は地域の「つながり」が今よりも強かったから、こうしたことは当然だったのではないかと思います。
そうではなかったとしても、地域全体で子どもたちを見守り育てていくことが出来たなら、そんな地元をとても誇らしく思えるでしょう。
そして、出来たら自分も老後はそんな地元で過ごしたいものです。(笑)
子ども達とはこの同じ地域に住み、また「きりんカフェ」を介して「つながり」を持ちました。
それをイメージしたのが、子ども達と作った下の作品です。子ども達の小さい手が木の葉や花のように、木を介して一つにつながっています。
このつながりを絶やさぬよう、新たな取り組みを現在も構想中です。
出生後も安心して過ごしていける街づくりに、産婦人科医としても携わることが出来たら幸いです。今後ともよろしくお願いします。