スタッフブログ

出産準備の一つ 「心と向き合う」と言う事

Date.
2019.12.02
Category.
雑感・その他

こんにちは。助産師の坂田です。さかっちゃん.jpg

11月に入っても暖かい日が続いていましたが、先週から一気に冬らしい寒さも感じられるようになりましたね。
油断は本当に禁物です。
聞き飽きた言葉だとは思いますが、みなさんくれぐれも身体を冷やさないようにお過ごし下さいね。身体を冷やしても、お腹を壊すか、風邪を引く、またはシモヤケ...と、良い事は一つもありません(^_^;)
その一気に寒くなった先週。師長の大日方と一緒に、横浜の「みやした助産院」さんへ2日間の研修でお邪魔してきました。
今まで行った事のあるベイサイドエリアとは違い、
思わず2人で絶句するほどの急な坂を3日分の荷物を持って登り。その重さと、耳が痛くなる程の寒さに耐えながら見上げると...、
まだ坂の頂上は見えず...。
これは何かの修行なのか⁇と思う頃、やっと辿り着いた「みやした助産院」の中は、スタッフのみなさんも産院のどこもかしこも暖かく優しく、ホッと癒されました。それだけの坂の上なので当然眺めは最高で、屋上から富士山やランドマークタワーも見える素敵な場所でした。
ところで
みなさん「助産院」とはご存知でしょうか。
時々、助産師がお産をお手伝いする事(俗に言う「お産をとる」)に、驚かれる方もいますので、もしかしたら「助産師」と言う職種自体をご存知ない方もいらっしゃるかも知れませんね。
私自身も聞いた事はあっても、進路を決めるまではそれほど意識をした事のなかった職業でした。
「助産師」とは主にお産全般のお手伝いや妊娠中の保健指導、産後の乳房ケアや育児相談、その他に病院以外の場でも学校や地域に向けた保健指導や衛生教育なども行います。妊娠や分娩だけでなく、主に女性のライフサイクルに合わせてサポートをする仕事です。
そして「助産院」は、助産師の資格を持つ者が開業し、連携している病院の医師と協力して、
全身状態の整ったリスクのない母親と赤ちゃんの妊娠中から分娩、産後をサポートしていく場です。
※(お産は行わず、乳房ケアを専門で行う助産院もあります。)
医師が在中していないので妊娠中も分娩の時も、産後も、そのお母さんと赤ちゃんが、正常な経過から逸脱しない事が大切です。もし、医師による治療や病院での管理が必要な状態(例えば血圧が高い、血糖値のコントロールが難しい、お腹の中の赤ちゃんの体重が増えないなど)となれば、助産院ではお産は出来なくなるのですが、
正常に経過出来ていれば妊娠やお産は病気ではありませんので、「自然な流れを大切にしたい」「医療的な介入や環境が苦手」「自分の力で赤ちゃんを産みたい」といった気持ちの方には助産院はとても快適だと思います。
対してクリニックや病院は医師が必ず居ますので
万が一の時にすぐに医療を受けられる利点があります。
当クリニックを選んで下さっているみなさんの中にも、安全性は求めているものの、出来れば自然な流れは大切にしたいと思われる方もいるでしょうし、自分の力で産みたいと思われる方もいますよね。
みやした助産院の宮下院長は
     「自分の力を信じて自分を出す事で、
                         お産の後の気持ちも変わる。」
と、言っています。
お産の後の気持ちとは、分からない事やこれからへの不安や焦りのほかに、自分の力で赤ちゃんを産めた、または産めたと思えなかったと思うところでしょうか。
みなさんも出産準備の一つとして考えてみて下さいね。         
まず、お産に向けての心の準備の大切さです。過去の体験や記憶を思い出してみて下さい。成長の過程で、親にしてもらって嬉しいと感じた事、逆に嫌だった事など、「感じた」体験から自分の「心」を知る事。自分の心を知り、向き合い、ここまでやってきた、またはこれからお産や育児に向かおうとしている今の自分の力を信じ認める事です。
そしてお産の時も含め、辛い事は声に出して構いません。叫びたければ叫んで良いそうです。私達スタッフは、その声や辛さを受け止めながらサポートしていきます。
 
改めてお産に関わる者として、知識や技術だけでは成り立たない奥深さを学んだ2日間。富士山.jpg
かなり遠くにあるはずの富士山が大きく見えて、まだまだ未熟で小さな自分を痛いほど感じた研修でした。
投稿者:助産師 坂田 智美
ページトップへ戻る